【レポート】情報科学高校アイデアソン2022

3月23日(水)に、情報科学高校で1年生4クラス全員を対象にアイデアソンがありました。

今回はデザインシンキングという手法で思考する体験をし、今後の活用のきっかけとすることを目標としています。

昨年度は、ファシリテーターを外部の社会人が務めましたが、今年度は、実際にアイデアソンの研修を受けられた情報科学高校の先生が務め、サポートとして、株式会社オートバックスセブンの方々とハイパー研スタッフが入りました。

また、本来は体育館で行う予定でしたが、コロナウイルス感染防止のため、各教室で行いました。


はじめに、1年生の4クラスをZOOMで繋ぎ、株式会社オートバックスセブンの渡邊さんから、デザインシンキングに関する説明がありました。

高校生たちは、どのような手順で進めていくのかやペルソナの設定の仕方について説明を受けた後、実際にアイデアソンに取り掛かりました。

今回のテーマは「情報科学高校をより良い学校にするためには」というものでした。

まず、1クラス8グループに分かれて、ペルソナの設定をしました。

ほとんどのグループが、ペルソナを「生徒(1年生)」と設定していました。

ペルソナの詳細に「悩みは彼女ができないこと」「ちょっとわがまま」「めちゃめちゃバカ!」といった高校生らしいユニークなものが多くて、見ていて面白かったです。

なかには、「なぜペルソナを設定するのか、なぜ詳細な設定をしなければいけないのか」について疑問を抱く生徒もいました。

ペルソナは、アイデアの方向性のブレを防ぐために設定するものですが、その人がどんな性格でどんな生活を送っているのか、家族構成や特技など一見関係のなさそうに見える部分まで設定していきます。なぜ詳細な設定をするのか理解するのが難しい部分もあるなと感じました。

その後、設定したペルソナの困りごとや課題が解決し、より良い学校にするためのアイデア出しをしました。

模造紙が埋まってしまうほどたくさんのアイデアを出しているグループもありました。

あるグループのペルソナの「友達がいない」という課題に対して、「クラスの枠を外して学年間で交流会を行う」という解決方法を考えているグループがあり、とても良いアイデアだなと思いました。

3年間学校生活を送る中で、クラスが違うとなかなか会話をすることもないので、このようなイベントがあると楽しいだろうなと思いました😊

他にも、「月に1回クラスマッチ」とか「グループ学習を増やす」など、コロナ禍で人と交流することが減っていることから、人とのコミュニケーションに関するアイデアが多くみられました。

次にアイデアのまとめ作業と発表に向けての準備を行いました。

アイデアのグルーピングを行ったり、話し合いをしながら発表内容やキャッチフレーズを決めたりしました。

最後に、各グループで発表を行いました。

発表内容は、授業方法やインターンシップ、イベント系やスマホの扱いに関するものなど様々なアイデアがり、高校生の皆さんが学校を良くしたいという考えを知ることができました。

どのグループの発表もとても素晴らしかったです。

発表後は投票を行いました。

1番評価の高かったグループは、クラスのルーム長と一緒に校長先生へプレゼンを行うことになっています!


私は、今回ファシリテーターのサポート役として、アイデアソンに参加させていただきました。

はじめてのサポート役で、どの範囲で生徒の皆さんにアドバイスをすればよいのか、どのような伝え方が1番良いのかなど、考えながら発言するのが難しかったです。

サポート役が、自分の意見をはっきりと伝えてしまうと、アイデアが凝り固まってしまうので、改めてファシリテーターやサポート役の大変さを感じました。


3月23日(水)に実施したアイデアソンで、1年生各クラスの代表に選ばれたグループが、3月24日(木)に、校長先生へプレゼンを行いました。

その内容をご紹介します。

1組は、『ISS’sキッチン』というキャッチコピーで、学校の購買の予約ができるアプリを作って生徒が必ず購買でお昼ご飯を買えるようにするのと、生徒がおかず等を作って学校や学校外で販売するといったアイデアでした。

このアイデアは、授業の関係でお昼ご飯を買うことが出来ない生徒の困りを解決するものです。

購買の予約ができるのと、生徒たちがお昼ご飯を買いそびれることもなくなり、お店側としても売れ残りが出なくなり、一石二鳥のアイデアだと感じました。

その他には、「スクールバスをつくる」「テスト前に勉強会を開催する」「タブレットを教科書の代わりにする」などのアイデアが出たそうです。

2組は、『俺はiPadを使いたいじゃ』というキャッチコピーで、授業中にもっとiPadを活用するというアイデアでした。

iPadを活用することで、資料をなくさず、目が悪くて黒板の字が見えない生徒もタブレットから情報を得ることができたり、周りの人と意見を共有したりしやすいとのことでした。

その他には、「情科ならではの行事をつくる」「登校時間を遅くして、朝の自分の時間を増やす」「スクールバスを設定する」などのアイデアが出たそうです。

3組は、『高校生革命』というキャッチコピーで、スマホを学校内でも使えるようにするアイデアでした。

スマホを学校内で使えるようにすることで、災害時に親とすぐに連絡がとれるようになったり、部活動の際も遅れる時や練習が外であるのかなどの生徒間での連絡がとれるようになったりなど、緊急時に連絡ができるとのことでした。

その他には、「リモート授業を行う」「ゲーム部(eスポーツ)をつくって他学年と交流できるようにする」「ロッカーをつくる」などのアイデアが出たそうです。

4組は、『スマホ解禁』というキャッチコピーで、スマホを学校内で自由に使えるようにし、緊急時に親と連絡が取れるようにするというアイデアでした。

授業の際は、先生に見えるようにスマホを机の上に置いて管理します。

もし、授業中にスマホを使った生徒がいた場合、その生徒はペナルティとして次の日朝早く学校に着て掃除をするとのことです。

その他には、「空き教室を使って食堂をつくる」「勉強のIT化」「長期・複数回のインターンシップ」などのアイデアが出たそうです。

校長先生へプレゼンをする際は、クラスでの発表時と比較しても、かなりレベルアップしていて、1年生とは思えないとても素晴らしい発表でした。

校長先生は、各グループのプレゼンに対して、「発表後、アイデアを実現するためにどう行動するのかが大事だ。」といったコメントをしていました。

考えたことをアウトプットするだけでなく、そのアイデアを形にするために行動していくというのは、高校生だけでなく社会人でも必要なことだと思います。

私自身も、自分のアイデアややりたいことを実現するための行動をしていこうと思いました。

そして、校長先生へプレゼンを終えた生徒の皆さんは、4月以降に、全校の先生方に向けてプレゼンをするそうです。


情報科学高校では、課題研究や職員研修、出前講座や実習など様々な場面でアイデアソンを取り入れています。

今回体験して学んだことを生かして、今後の授業や文化祭での企画などでもぜひ活用してみてほしいです😊

(公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所 坂口萌々子🍑)